ドットボタンの使い方とその注意点

ファッション資材の知恵袋ブログ!

今回はドットボタンのお話をします。ドットボタンと言ってもピンと来る方は少ないと思います。ドットボタンとはホックのこと。パチンパチンと留めたり外したりできるブルゾンのフロントやカジュアルパンツのフロントに付いているものです。皆さんの身近にもあるものです。このドットボタンについて詳しくみてみます。

ドットボタンとは?

まずドットボタンとは、先ほども話したようにパチンパチンと留めたり外したりできるホックのこと。しかし、その中でも機械で打ち付けて取り付けるものをドットボタンと呼んでいます。ホックでも手縫いで縫い付けるものもありますが、それはドットボタンとは呼びません。

ドットボタンは4つのパーツからなっています。左側の2つのパーツが上前に付き、右側の2つのパーツは下前に付きます。左右2つのパーツの間に生地が入ることになります。

このドットボタンは打ち機(プレス機)という機械で打ち込みます。打ち込みたい場所にこのパーツを持っていき、打ち機で打ち付けます。穴は自動的に開き、生地にくっつくようになっています。

ハンドプレス機

このプレス機の他に駒と言われるアタッチメントも必要になります。これはパーツ毎に必要になります。4つのパーツを使うドットボタンの場合、4つのアタッチメントが必要になります。

ドットボタンの機械と駒

先述の通りドットボタンを付けるには打ち機と専用の駒が必要となります。この打ち機と駒ですが、そのボタンを作っているメーカーにより違います。これが厄介なのです。

ドットボタンの2大メーカーがあります。一社はファスナーのYKKの子会社であるYKKスナップファスナー(以下YKK SF)で、もう一社がモリトです。この2社の打ち機も違えば、駒も違います。特に駒をお互いの打ち機に取り付けられないため、YKK SFのボタンを使う場合、その打ち機と駒がないとダメで、逆もしかりです。

YKK SFの駒

 

モリトのネジ式の駒

お互い似たようなボタンがあるのですが、YKK SFのボタンをモリトの駒で打ったり、その逆をしたりするのは、問題が起こるのでやらないでください。必ず専用の駒を使ってください。

この2社以外のメーカーのボタンはモリトタイプの打ち機で打てるネジ式の駒が多いです。なので汎用性が高いのはモリトのようなネジ式の駒を使っている駒です。一方で、YKK SFは機械の設置の管理までしっかり行っていて、自社の製品を自社の打ち機でしか打たないような仕組みになっているので、打ち付ける工程までしっかり品質管理できています。

ドットボタンの使用上の注意

生地との関係

ドットボタンは生地に穴を開けて打ち付けるので、生地によって問題が起こる場合があります。

1 薄い生地:ドットボタンを開閉する際に生地を切る可能性があります。

2 厚い生地:生地が厚過ぎるところにドットボタンを付けると足が届かず、下組が外れてしまう可能性があります。

3 伸びる生地:伸びて穴が広がりドットボタンが抜けてしまう可能性があります。

対策としては1、3に関してはパッキンを噛ませて、厚みを持たせてグリップをよくする方法があります。さらに芯地を貼ったり、テープをたたいたりして、伸びを止めたり、厚みを補強したりすることも有効です。

パッキン

2に関しては、試し打ちをして確かめることが必要です。そして1、3でも量産に入る前に試し打ちをして確かめることをお勧めします。

何度も言っていますが、駒はきちんと専用のものを使用してください。駒がない場合、アウトソーシングで打ち加工をやってくれるところもあります。

打つ場所

ドットボタンを打つ場所についても注意をお願いします。まず、生地が1枚のところなど薄い箇所に打つ場合はパッキンを噛ませてください。特に、隠しドットといって、キャップではなく内側に打つ加工の場合、必ずパッキンを上側にも付けてください。

隠しドット

また、段差のある場所に打つのは避けてください。取れてしまったり、浮いてしまいそこでケガをしたりする可能性があり危ないです。

最後にステッチなど縫い糸がある走っている上の打つのも避けてください。糸を切ってしまう可能性があります。

ドットボタンにはいろいろな種類があり、ファッションの中でもいろいろな場面で使われています。一方で使い方によっては問題が起こりやすい資材でもあります。正しいチョイスをして、問題を起こさない使い方をしていきましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ