シャツボタンから見たいい洋服 〜形状、加工編〜

ファッション資材の知恵袋ブログ!

以前に「付属から見る洋服」というテーマのお話をしました。「付属」とは以前にも説明していますが、表生地以外の洋服を構成する資材のことです。裏地、ボタン、ファスナーなどがそれに当たります。「付属」は言わば、主役ではないですが、付属にまでこだわりを持っている洋服は、いい洋服と言っていいでしょう。付属屋目線で見た「付属から見るいい洋服」ということで、前回はシャツボタンについてお話ししました。その時のお話はこちらから。今回はその続編ということで、シャツボタンの形状や加工をみてみます。

 

厚いボタン

シャツボタンに使用する貝ボタンには厚みがあります。通常使われているものは2mmくらいのもの。最近、あまり見なくなりましたが、一時、厚みのあるボタンが流行りました。厚みは通常の2mm~5mmまで1mm単位であります。

貝の場合、厚みがあるものをまっすぐに作るのが難しく、5mm厚でまっすぐの円筒にするのはかなり難しいです。また、材料的にも厚みのあるものを確保するのも大変です。当然ですが、厚いものほど高くなります。

個人的には厚いとゴロつくのと、ボタンの止め外しがしづらくなるのであまり好きではないです。

でも、シャツの見た目からするとよくなりますし、厚いボタンが付いているということは高いボタンが付いていることになるのでいい洋服なのではないでしょうか。

レーザー彫刻のボタン

次にあげるのはレーザー彫刻を施したあるボタンです。これはシャツボタンに限ったことではないですが、
ボタンにブランド名を彫刻することでオリジナル性を出しています。ボタンに後加工でレーザー彫刻をする訳ですから、ボタン代に上乗せしてレーザー彫刻の加工賃が掛かります。そこまでしてもオリジナル性を出したのは細部にもこだわっていると言えます。レーザー彫刻の中にもいくつか種類があります。

表面にレーザー彫刻

一番一般的なのが表面にレーザー彫刻をしたもの。ポリエステルボタンや貝ボタンだと同色系に彫ったところが出るので目立ちません。そのさり気なさがいい部分もあります。ユリア樹脂ボタンの場合、彫ったところが白くなるのでロゴが目立つようになります。

ポリエステルボタンにレーザー彫刻

 

表面レーザー彫刻+墨入れ

ポリエステルや貝ボタンでもレーザー彫刻したロゴを目立たせたい場合は彫ったところに墨入れと言ってインクを入れる加工をします。墨入れは一つひとつ手作業で行うのでかなり手間が掛かります。

表面にレーザー彫刻して墨入れしたポリエステルボタン

 

サイドレーザー彫刻

さらに、ボタンの側面に彫刻を入れているものもあります。これをサイドレーザー彫刻と言います。表面に彫刻するより、こちらの方がさらに手間が掛かっています。表面に入っていないので一見わかりづらいですが、さりげなく高度な技を使っています。サイドレーザー彫刻のボタンを使っているシャツはかなりポイントが高いですね。

さらにサイドレーザーした上に墨入れをしているボタンもあります。かなり手間の掛かっているボタンです。当然、ボタンの値段も高くなります。

 

ツヅミボタン

こんなボタンは見たことありませんか?


これはツヅミ(鼓)ボタンと言って、二つのボタンを糸で結んだカフス用のボタンです。鼓のような形をしているのでツヅミボタンと言います。このツヅミボタンは針と糸を使って内職で手作りします。こんなボタンがカフスに付いているシャツもいいですね!

シャツボタンから見るいい洋服

いかがでしたか。シャツボタンから見るいい洋服。厚さの厚いボタンやレーザー彫刻が入っているボタン、ツヅミボタンなどを使っているシャツは細部にもこだわっていると言えるのでいい洋服である可能性が高いです。もちろん、これらのボタンを使っていなくてもいい洋服もいっぱいあります。ひとつの目安として見てください。ちょっとボタンに注目してみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ