フィンランド リサイクル&サステイナブル事情 日常編

前回に引き続き2月に行ったフィンランドのお話です。前回はリサイクル&サステイナブル事情のアパレル編ということでお伝えしました。今回は日常編です。前回お伝えしたペットボトルのように日々の生活の中にもいろいろ見ることができました。前回のお話はこちらから。

ホテルから見えた朝8時半の日の出

ボタン、ファスナー、生地など洋服の資材を扱う株式会社クロップオザキの2代目社長の尾崎博之(@cropozaki)です。 早速ですが、今日のお話「リサイクル&サステイナブル事情 日常編」をお伝えします。

スーパーマーケット

ヘルシンキにて現地のスーパーマーケットに行きました。行ったのはKスーパー。フィンランドはこのKスーパーとSスーパーの2大スーパーが市場を牛耳っているとのこと。

入るとすぐに野菜売り場があり、ここは日本と一緒です。しかし、違うのがグリーンのプラスチックの帯が掛かっている野菜があります。そこには「LUOMU」と書かれていて、これはオーガニックの意味。このLUOMUと書かれたものが数多く並んでしました。

紅茶にもオーガニックマーク

次に加工食品のコーナー。ここで目に入ったのは代用肉です。植物由来の原料でつくった「肉もどき」がこんなにあるのです。見た目は肉です。結構、健康に気を遣う人が多いので需要が増えているそうです。この辺りも日本より進んでいますね。

次に注目したのが卵売り場。ここにも様々なパッケージの卵がありましたが、ほとんどがリサイクルペーパーのような紙容器でした。そして、結構人気があるのが、放し飼いで育てられている鶏の卵。日本でもありますが、こっちではスーパーでも何種類か売られています(下の写真はそのひとつ)。ストレスフリーな鶏の卵だそうです。味に違いはあるのかな?

紙コップ、使い捨てフォークも木材系の素材を使って「eko(エコ)」と謳われています。使い捨てという時点でエコではないですが・・・。それにしても紙コップ、通常のものと比べると価格が3倍!買う人がいるのかな?→この考え自体がもうエコじゃない(笑)

上の通常の紙コップが€2.45なのに対して下のエコ紙コップは€6.15

場所が変わって、このスーパーが入るショッピングモールにあった「Wefood」。ここもスーパーみたいなのですが、狭いですし、商品がやけに少ない。ここはスーパーなどで賞味期限が切れそうなもののみを扱っているのです。食品ロスを防いでいます。

レストラン

この日、昼食をとったレストランがあったのがこの建物の中。ここは以前、精神病院でした。歴史的な建物であり、中の部屋を小分けに貸し出しています。小物屋だったり、SOHOだったり、飲食店も入っています。

中から見た中庭の景色

ここの中の「LOOP」というレストランへ。ここでは賞味期限切れで廃棄になる前の食材を使って料理を出しています。それなので、メニューはその日ごとに違います。この日はサーモンのソテーがメインでしたが、美味しかったです。こういうレストランも日本では見ないですね。

図書館

昼食後に訪れたのがヘルシンキ中央図書館(Oodi)。この図書館は2019年に世界最高の図書館に選ばれました。この図書館は誰でも無料で入ることができます。

図書館とは思えない外観

入り口を入ると広いフリースペース。カフェレストランもあります。

3階建の構造で3階が図書館スペースです。まずこの3階に行くとビックリ。柱が目立たななく、本棚も高くなく、仕切りもないので、フロア全てを見渡せる開放感。植栽が内部にあるのもリラックスさせてくれます。そして建物の両端は子どもたちが遊べるスペースになっていました。

大きなソファが置かれ、まるでリビングルームのよう

もうひとつ驚いたのがこのフロアにあったトイレは男女別れていないのです。男女という枠で区切らないということなのでしょう。

次に2階に降りて行きました。ここで階段状のスペースが広がり、思い思いの格好で勉強なのか、仕事なのかしています。

同じフロアの別のスペースでは、ミシン、3Dプリンター、レーザーカッターというようなマシンが置かれていて、これも自由に使うことができるそうです。誰にでも機会を与えるという発想。

この誰もが使えるスペースは図書館だけに限らず、ショッピングモールにもあるのです。前述のKスーパーの入るショッピングモールでも、一部スペースを開放していました。無料で自由に使えるのです。ここにもミシンがありました。機会はみんな平等に与えられているというのを感じました。

まとめ

今回のフィンランド。観光で見るだけでは見逃してしまうようなところを見てきました。日本とは人口が大きく違うので単純な比較はできませんが、サステイナブルに関するシステムは進んでいると実感。心の豊さを育んでいる国だなと思いました。一方で、日本に比べると刺激が少ないので飽きてしまうかなというのも・・・。行ってみないとわからない。百聞は一見にしかず。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ