付属屋社長が製造現場を行く! ファスナーYKK工場編

ファッション資材の知恵袋ブログ!

新しい企画で「付属屋社長が製造現場を行く!」シリーズを始めます。当社では扱っている商材がとっても幅広く、営業の持つ知識もそれだけ幅広いです。一方で、メーカーではないので、その製造現場をすべて見ている訳ではありません。私自身もボタンや裏地のテープのメーカーなどは見ていますが、すべての品種を見てはいません。できる限り製造現場を訪れてレポートをしていきます!

その第一弾が今回私も初めて訪れたYKKさん(以下YKK)です。YKKは言わずもがな世界一のファスナーメーカーです。今はサッシも有名ですが、もともとファスナーの製造から始まった会社です。今回、YKKの富山県黒部市にある工場を訪問してきました。

富山県黒部市へ

YKKの本社は私たちの会社の近くの秋葉原にあります。工場は富山県の黒部市です。東京からは北陸新幹線1本で行けるようになりました。朝7時前の新幹線に乗って行くことに。私は大宮駅から乗車。

YKK黒部工場の最寄駅は黒部宇奈月温泉駅。ここは東海道新幹線でいう「こだま」各駅停車しか止まらないので、各駅停車の「はくたか」で出発。途中長野まではまったく雪がなく、飯山あたりからようやく雪が。しかし、黒部も町には雪はありませんでした。ここまで大宮から2時間です。

黒部もまったく雪なし

駅にはYKKの方が迎えに来てくださり、ここからは車で。車で15分ほどで工場へ。道路標識にもYKK○○工場と書かれているほどの広大な敷地の工場です。駅にもYKKの宣伝がいっぱいありましたし、YKKの町です。そうそう、この黒部市は人口18,000人でその内6,000人がYKKで働いているそうです。1/3ですよ!凄いですね。

駅にもYKK広告がいっぱい!

YKK黒部工場

YKKの黒部工場に到着後、まず入ったのがYKKセンターパークにあるYKK50ビル。え、ここが会社なの!と思うような素敵な内部。ここの会議室に入り、まずはプレゼンテーションを聞きました。

YKK50ビルの中

その数字には驚きます。2017年ファスナーの生産数量は世界で305万kmで地球76周分ですって!1年でですよ。世界73ヶ国に111社の関連会社があります。

一方、日本でのファスナー生産数量は年々減っていて1983年のピーク時と比べると1/5だそうです。これは縫製の海外生産へのシフトが影響しています。今や日本の衣料品の輸入比率は95%以上と言われていますからね。その代わりにYKKの海外生産はどんどん増えています。

工場見学

今回、工場見学では染色工場、チェーン加工工場、スライダー工場を見学しました。残念ながら工場の内部は写真撮影不可でしたので写真はありません。

工場の外観

染色工場

まず染色工場に入りましたが、ここではファスナーテープを染色します。YKKは基本的にすべての部材を社内で生産しています。ファスナーを作る機械も自社で製造しています。

両端についているのがファスナーテープ

染色工場は他社でも見たことがあったのですが、ここで驚いたのが染色工場なのに水が全然ないのです。排水がしっかりされているということですね。また、人もいない!ほぼほぼ機械で自動的に行なっていました。搬送も搬送ロボットが音楽を鳴らしながら走っていました。さすが世界のYKKです。

ちなみに金属ファスナー、プラスチックのビスロンファスナーはテープを染めてからエレメントという歯の部分を植え付けますが、コイルファスナーはエレメントとテープとを縫い付けてから染色します。

コンシールファスナーもコイルファスナーの一種

チェーン加工工場

次に訪れたのがチェーン加工工場。チェーンとはテープにエレメントを植え付けたものをチェーンという言います。金属ファスナー、ビスロンファスナーではテープに植え付ける加工するのがチェーン加工工場です。コイルファスナーはテープにコイル状にしたポリエステルのコードを縫い付けていきます。

金属ファスナーはYバーというYの字の形の金属の棒を細かくカットし、プレスして同時にテープに植え付けてカシメます。1分で何個植え付けると言ってたか忘れましたが、かなりスピードです。機械の植え付け工程を見ましたが、目にも止まらぬ速さです。そして、ビスロンを樹脂を溶かしたものをテープにくっつけていきます。まあ、よくここまで機械でできるようにしたなと感心しっぱなしでした。

メタルックス 金属に見えるビスロンファスナー

スライダー工場

最後の製造現場はスライダー工場。スライダーというのはファスナーを閉じたり、開いたりする引き手のことです。このスライダーもロック機能というものが付いていてファスナーの引き手を持ち上げないと動かない機能を持たせたものもあります。

2017年に製造したスライダーは103億個!もの凄い数です。ここも人が少なく機械が自動で生産している感じです。頭上のレールを部材を運ぶモノレールのようなロボットが部材倉庫と製造機を何往復もしています。部材の少なくなった所に自動的に投入しているのです。

手作りファスナー体験

最後に丸屋根記念館という場所へ。ここは誰でも見学することができます。私たちが訪れた時も観光バスで団体さんが来ていました。ファスナーやサッシ、黒部のことなど基本的なことを知ることができます。また、創業者吉田忠雄記念館もあります。

丸屋根記念館

 

一緒に行ったスタッフと記念撮影

そして、ここで体験させてもらったのが初期のファスナーの作り体験で、金属ファスナーのエレメントを手で植え付ける作業をしました。老眼にはかなり厳しい作業でしたがなんとかできました!

専用のペンチを持って、ひとつ一つの金属のエレメントをテープに乗せていきます。すべて乗せ終えると専用のカシメ機でバチン、バチンとカシメます。並べ方が雑だったり、カシメが甘いとスライダーがスムースに動きません。私のは結構上手にできましたよ!経験が長いですからね(笑)

スタッフの笠鳥くんのカシメ作業を動画で紹介!

昔はこうやってほとんど手作りで作業をしていました。ここからの数十年で今の自動化まで来た変化はものすごい。ものすごい進化です。

想像以上の機械化

今回初めてYKKの工場を見学させてもらいましたが想像以上の機械化でした!こうやって人が今までやっていた仕事は機械に変わっていくのだなと実感すると共に、自社のアナログ具合と比較すると恐怖さえ覚えます。今自分たちのやっているの仕事も機械に変わってしまうのではないかと。もっと人だからできる想像力を生かしていかないとなんて最後に思いました。

そうそう想像力といえば、北陸新幹線のシートのヘッドレストにもYKKのファスナーが使われています。ヘッドレストを上下にスライドさせるパーツとしてファスナーが使われています。今までの用途とはまったく違うもの。これは想像力を生かした発想です!

YKKの皆さま、いろいろとありがとうございます!とても勉強になりました!

 

お問い合わせはこちらまで

Follow me!

この記事が良かったらシェア

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ