貝ボタンとプラスチック製貝調ボタンのこと

「ファッション資材の知恵袋」ブログ第3話

金曜日に東京ビッグサイトで行われていた「ベイビー&キッズEXPO」に訪問。目的は、出展していた抱っこひもの「ママイト」さんにお会いするため。無事に船木社長ともお会いできました!ありがとうございます。ママイトさんのインフォはこちらから。

今回はボタンの基本的な素材についてお話したいと思います。ボタンと一口に言っても、貝ボタンがあったり、金属ボタンがあったりと素材は様々です。あまりボタンを気にすることをないという方も多いと思いますが、自分の着ている洋服のボタンの素材がなんのか、見てみると楽しいですよ〜。

ボタンの素材とは?

ボタンの素材はいっぱいあるので、今回はよく使われる素材をご紹介します。まず、ボタンの素材には天然素材のものと、その天然素材を真似たプラスチック(樹脂)素材があります。天然素材の方が価格的は高いです。また、原料の量にもよるので、原料によって価格が大きく変わりますが、プラスチック製のものは価格もリーズナブルで、素材による価格の違いは少ないです。では、詳しく見ていきましょう。

天然素材ボタンとプラスチックボタン ー 貝ボタン ー

高瀬貝

天然素材のボタンで一番よく使われているのが、貝ボタンです。シャツに使われている白いボタンに貝ボタンが使われることが多いです。この白い貝ボタンは、高瀬貝という巻貝を原料にしたものです。

タカセ17番型

高瀬貝(トモイサンプル帳より)

高瀬は本当によく使われていて、原料的にも豊富なので、シャツに使う小さいサイズのボタン(11.5mm)は割とリーズナブルです。最近では、春夏のジャケットに使われています。

白蝶貝

高瀬に似た白い貝ボタンで、白蝶貝というのがあります。同じ白なのですが、貝の種類が違います。蝶貝(ちょうがい)と言って2枚貝で、この貝は真珠を作るのに使われる貝なんです。なので、パール調の光沢がとても美しいです。高瀬に比べると、その光沢の美しさと純白度が違います。価格も高瀬に比べると3〜5倍の値段がします。貝ボタンの中では最高峰の素材です。

白蝶貝ボタンを使ったシャツ

黒蝶貝、茶蝶貝

白蝶貝の仲間で、その貝の色の違いから黒蝶貝、茶蝶貝というのもよく使われます。これらも真珠の母貝なので、そのパール調の光沢が美しいです。黒蝶は黒というより、黒系のレインボーの光沢が入り混じったような綺麗なボタン。茶蝶は茶色系の光沢が美しいボタンです。茶蝶貝は色に温かみがあるので、レディースで使われることが多いですね。

黒蝶貝ボタン

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蝶貝ボタン

黒蝶を使ったジャケット

貝調ポリエステルボタン

貝のボタンを真似て作られるプラスチック素材がポリエステルボタン。貝調ポリエステルボタンと言いますが、これは本当によく使われています。シャツボタンでは一番使われています。天然素材に比べてリーブナブルですし、かなり精巧に貝に近づけて作っているボタンもあり、素人目にはわからないものも多いです。さらに、貝ボタンはその貝の種類ごとに値段が違いますが、ポリエステルの場合、同じ原料なら色が違っても同じ値段です。

高瀬調のポリエステルボタン

黒蝶貝風のポリエステルボタン

高瀬調のポリエステルボタン

ポリエステルボタンは本物の貝ボタンに比べるとリーズナブルですが、だからポリエステルの方がよくないという訳ではないです。貝に比べたら、割れづらいので、よく洗濯する制服なんかはポリエステルの方がいいです。また、後からの染色もポリエステルの方がしやすいので、生地に合わせて染色したいときもおススメです。用途に合わせて使い分けるといいですね。

まとめ

天然素材とプラスチック素材のボタンを本当はあと2種類紹介しようと思ったのですが、長くなってしまうので、今回は第一弾として、貝ボタンと貝調ポリエステルボタンで締めておきます。第二弾で続きをお話します。本物の貝を使ったボタンはやはり高級感があり、品があり、いいですね。一方で、ポリエステルボタンにも貝にはない良さもあるので、どっちがいい、悪いではないです。コスト設定、用途によって選んでみてはいかがでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ