付属って何?付属屋ってどんな仕事しているの?

「ファッション資材の知恵袋」ブログ 第2話!

毎日暑い日が続きますね〜。今日は中野にある織田ファッション専門学校にて、ボタンの講義をさせていただきました!未来のデザイナーたちが少しでもボタンに興味を持ってもらえたら嬉しいです!

アパレル業界の業界用語ですが、「付属」という言葉があります。アパレル関連の仕事をしている方はご存知だと思いますが、一般的には知らない方がほとんどだと思いますので、今日はこの「付属」の話をします。

付属とは?

さて、「付属」とは何でしょう。まず、下の写真のジャケットを見てみてください。このジャケットのメインの資材は、生地です。生地が無ければジャケットはできません。洋服を買う時にも、生地のデザインや風合いを一番初めに見ますよね。でも、生地だけではジャケットはできません。表に見える部分では、ボタン、裏には裏地、見えないところですが、芯地もジャケットの形を作るのに重要な資材です。そう、メイン資材である表生地以外の資材を引っ括めて、「付属」と呼んでいます。今日の冒頭の黒板に書かれている「副資材」も「付属」と同じ意味です。このジャケットの「付属」には、裏地、芯地、ボタン、スレーキ(ポケットの布)、ブランドネーム、洗濯表示、縫い糸などがあります。もっと言うと、納品する時のビニール袋やハンガー、下げ札などもあります。

この写真でジャケットの中に着ているニットでは、糸がメインの素材。それ以外の必要な資材が「付属」なのです。

付属屋とは?

「付属」に引き続き、「付属屋」という言葉があります。これは付属を扱っている会社のことを「付属屋」とアパレル業界では言います。生地を扱う「生地屋」と付属を扱う「付属屋」は、業界では分かれています。当社も「付属屋」出身ですが、今は、生地も扱い、縫製までする部署もあるので、純粋な付属屋ではなくなっています。

生地も豊富に取り揃えてます!

メンズ中心に洋服の縫製もしています!

なぜ付属屋が必要なのか?

アパレル業界では、なぜ付属屋のような存在が必要なのでしょうか?ボタンならボタンメーカー、ファスナーならYKKに直接頼めばいいのではと思いますよね。そうなんです、そうすれば中間マージンが必要なくなるのです。

ところが、洋服を一着作るのには多種多様な資材が必要になります。それを一つひとつ仕入先に注文を入れ、納期管理、コスト管理するのは、アパレルの生産の人には相当な時間と手間が掛かり、負担になります。その業務を担っているのが付属屋なのです。特に最近は海外縫製が増え、輸出梱包、輸出書類の作成、輸出手続きまで行っています。これをそれぞれの資材メーカーに依頼していたら、相当な手間になりますし、資材を輸入して受け取る縫製工場は、都度通関手続きの必要があり、コスト、手間、時間が掛かってしまいます。それも付属屋が解決しています。

さらに、ボタンひとつとっても相当な種類があり、デザイナーさんが求めるボタンを探すのにも時間が掛かってしまいます。そこも私たちの経験と知識でズバッと解決できるのもメリットです。

最近のアパレル事情

昨今、アパレル業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。市場縮小、低価格衣料の品質と人気の向上、調達ルートの多様性などが既存アパレルメーカーには脅威になっています。そこに拍車を掛けるように、メルカリのようにC-to-Cマーケットまでもが、競合になりつつあります。

そんな中、苦しいアパレルメーカーは人員を削減します。ものづくり系の人たちもその対象になっています。そうすると、ものづくりはどんどん商社やOEMメーカー任せになってしまい、個性のない服ばかりが店頭に並び、思うように売れないという結果に陥るのです。

また、付属もこだわりを持たなくなってしまい、縫製工場任せになってしまうことも増えています。その方が、デザイン性や品質を求めなければ、資材手配の手間が省け、コスト管理も簡単ですから。

これからのアパレルと付属

丸投げで、商社任せ、OEMメーカー任せのものづくりでは、アパレルのブランドとしての価値がどんどんなくなってしまいます。そんな中、これからは大量に生産しない、こだわりを持ったブランドがたくさん生まれてくるのではないかと感じます。今の時代は、昔と違い、お店を持たなくてもネットで販売できますし、宣伝もSNSなどの口コミを利用すればほぼ無料でできます。「売る」方のハードルは低くなっています。自分の着たい服がないから、作って、売ってしまうなんてデザイナーが増えてきています。そういうデザイナーの方々にも、ぜひ、付属についても知ってもらいたい、その良さや違いについて理解して欲しい、そんな想いでファッション専門学校で、ボタンのお話もさせてもらっています。ボタン以外にも、ファスナー、テープ、金属付属などについてもお話しています。付属について、よく知ってもらって使ってもらえると嬉しいです。

付属についての講義、ハンドブックの配布実施中

付属についてのお話をご希望の方は、ご依頼いただければ伺います!こちらからお問い合わせをお願いします。

また、ボタンの素材図鑑を収録した小冊子「付属選びのハンドブック」を無料配布しているので、ご希望の方は下の問い合わせフォームから。備考欄に「ハンドブック希望」と明記してください。

お問い合わせはこちらまで

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ