赤字球団を救った横浜DeNAベイスターズ元社長の経営

ボタン、ファスナー、生地など洋服の資材を扱う株式会社クロップオザキの2代目社長の尾崎博之(@cropozaki)です。

さて、今日のお話は、「業界の常識に挑戦した経営」についてです。

セレブ風!?ホテルでの朝食会!

毎月1回、行われるホテルでの朝食会。セレブっぽい(笑)実は、業界紙 繊研新聞社さん主催の朝食会です。ファッション産業界のトップが100名以上集まる会で、業界のトップ同士親交を深めるにはとってもいい会です。

とか言いつつ、未だに物怖じしてしまうのと、人見知りの性格なため、そんな会の特性を活かせていないのが実情です(笑)

この朝食会、初めの30分は朝食を取りながら、談笑します。だいたい、座る席も決まっちゃっています。そして、その朝食後、1時間、ゲストスピーカーの講演があります。これがこの会のもう一つの目的です。そう、業界トップの方々が朝8:30から勉強しているのですよ〜♪

 

朝食会で球団経営の経験談!

今回のゲストスピーカーは、プロ野球球団 横浜DeNAベイスターズの元社長 池田純さんでした。大手商社、大手広告代理店での経験を経て、プロの経営者として、いろいろな会社の立て直しに従事。DeNAが横浜ベイスターズを買収した時の初代社長が池田さんだったのです。そこから5年間で観客動員を倍にし、毎年10億以上の赤字だった球団を20億の黒字に回復させた実績を持ちます。経営者としては見逃せないですし、野球という部分でも大変興味がありました。

 

池田さんが球団社長に就任した時は35歳。12球団で最年少の球団社長で、自球団に行っても、「IT会社から若造の社長が来た」と見られ、全く受け入れてもらえなかったそうです。実は、池田さんには野球経験がなく、野球に関しては全くの素人だったのです。球団にいる人たちは、これまでずっと野球に関わってきた人たちばかり。それは社員にも抵抗感がありますよね。でも、この野球を知らないことが、その後の経営に大きな影響を与えることになります。

業界の常識が立ちはだかる!

それまでの横浜の球団経営は、どっぷり「野球はこうあるべき」という姿勢にハマっていました。プロ野球は「試合に勝てば客が来る」とか、テレビ中継が少なくなっているのに、以前として放映権に依存する経営手法を変えられないとか。しかも、球団の戦績は低迷を続け、観客動員も少なく、毎年赤字を出していました。そう、池田さんの来る前の球団経営は、既成概念や業界の常識にとらわれていたのです。池田さんには、そんな野球界の常識がないので、今までやっていないことを取り入れ、いろいろなアイデアを出して挑戦していきました。例えば、試合がつまらなかったら返金できるチケット、試合後に監督とのディナークルーズ、さらには球場の買収をして、球団と球場の一体経営とか。

今まで、観客に対してどうというよりも、試合に勝つとか、放映されるためにはとかに力を入れていたのです。お客様の方を見ていない経営だったのです。そこを、お客様にいかに喜んでもらうかにシフトし、いかに球団のファンになってもらうか、地域である横浜に愛される球団にするかをやっていったのです。上手くいかないことも多々あったそうですが、結果的に5年で黒字に転換、チームも最後の年に3位に浮上しました。

業界の常識にチャレンジする大切さ!

業界の常識にとらわれていてはダメなんだというのを改めて実感。しかし、それはわかっているのですが、自身のいる業界だと、その業界の常識自体に気づかない内に縛られているもの。今回、野球球団経営という馴染みのあるスポーツで、わかりやすい事例だったので、「業界の常識」がどんなものなのか、どんな弊害があるのかを理解することができました。「業界の常識」にチャレンジすることでチャンスが生まれる訳です。シンプルに考えて、行動していこう!

そうそう、池田さんが最初に言った言葉が印象的でした。

困っているところにこそ、大きなチャンスがある!

肝に命じておきます!

今日の教訓

業界の常識をまずは並べてみる!

今日のボタン

LARDINIのジャッケット。ベージュの生地に合わせているボタンは貝ボタン。茶蝶貝ですね。しかし、よく見る茶蝶貝のボタンとは違うような。一般的にはツヤがあるものですが、これはかなりのマット(ケシ)です。こんなに雰囲気が変わるのですね。メンズにはカッコいい。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社クロップオザキの代表取締役 尾崎博之。生地、ボタン、ファスナーなどのファッション資材を扱う会社での営業を20年以上経験。顧客はアパレル会社、セレクトショップ、商社など幅広い。その経験と知識を生かして、ファッション資材に関する悩みを解消したり、資材調達の手間を省くための活動を行っている。 詳しいプロフィールはコチラ