YKKファスナーのお話です。ファスナーにはいろいろな種類があります。それはエレメントという歯の素材、サイズ、色、長さ、テープの色、そして、スライダーと言われる引き手部分です。今回はこのスライダーに焦点を当てます。スライダーもいろいろな形状があるので、選ぶのに迷いますが、形状だけでなく、実は機能面も考慮しなければならないのです。間違って選んでしまうと後々問題になってしまうことがあります。
このページの目次
スライダーとは?
まず基本からファスナーの名称に付いておさらいしましょう。先ほども述べましたが、エレメントと言われる歯の部分があり、そこに合わせたサイズのスライダーが入ります。スライダーはこれを上下に移動することで、ファスナーが開いたり、閉じたりします。
このスライダーにもスライダーカタログというものがあり、いろいろな形状や色を選ぶことができます。以前に書きましたが、別注してオリジナルの引き手にするということもできます。その時のお話はこちらから。
スライダーのロック機能とは?
いろいろなスライダーを選ぶことができるのですが、その時に注意しなければならないのが、スライダーの「ロック機能」です。ファスナーのスライダーには勝手にスライダーが落ちないようにロック機能の付いているものと、付いていないものがあります。
では、ロック機能のあるものとないもので、どのような違いがあるのでしょうか。まず、ロック機能があるものは、スライダーの引き手部分を引かないとロックが外れないため、自然にはファスナーは開きません。一方で、ロック機能のないもの(ノンロック)は、引き手を引っ張らなくても、ファスナーのテープを左右に引っ張るとスルスルっとファスナーが開きます。下の動画のはじめに開いているのがノンロック、後のものがロック機能のあるものです。
ノンロックスライダーのファスナーをブルゾンのフロントに使ってしまうと左右にブルゾンが引っ張られるとファスナーが開いてしまいます。パンツのフロントでも一緒です。ロック機能が付いていないと大変なことになってしまいます!
ロック機能のいろいろ
オートマティックロック
スライダーのロック機能にも種類があります。一番、多く使われているのがオートマティックロックというもので、スライダーの引き手を持ち上げると、スライダーの四角い箱の部分が持ち上がり、ロックが外れる仕組みになっています。
セミオートマティックロック
次によく使われているのが、パンツ、特にジーンズのフロントによく使われているセミオートマティックロックというもの。これは引き手部分にバネが入っていて、基本、下を向いています。下を向いた状態だとロックが掛かっています。これは上に跳ね上げた状態にするとロックが外れます。ジーンズは洗い加工などをするため、ロックの機構がシンプルな方が壊れにくくていいのです。スポーツウェアでも、このタイプのものを使用します。引き手が固定されるのでプラプラしなくていい訳です。
他にもノッチロックやピンロックというロック機能がありますがあまり使わないので割愛します。
ロック機能が付いているのはどこでわかる?
スライダーにロック機能が付いているのかどうかはどこでわかるのでしょうか? それはスライダーの品番の2桁目を見ればわかるようになっています。2桁目が「A」であれば、オートマティックロック、「S」であれば、セミオートマティックロックです。「F」はノンロックで、ロック機能がないスライダーです。
YKKのスライダーのカタログには品番が載っていますので、2桁目をチェックしてください。見た目、同じような形状でもロック機能があるものとないものがあるので、よくみてくださいね。
まとめ
ファスナーのスライダーのロック機能はお分かりになりましたでしょうか。洋服に使うファスナーはほとんどがロック機能があった方がいいです。ノンロックでよく使うのはカバン関連です。特に洋服のフロントに使うファスナーはロック機能が必要ですの、お忘れなく!ワンピースやスカートのに使うコンシールファスナーの引き手はオートマティックロックが付いています。最近、コンシールの代わりに金属ファスナーを使うケースも増えていますが、その場合、必ずロック機能付きを使うようにしてくださいね!
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